Simcenter 3D FE Model Correlation / Updating

モデルコリレーション/プリテスト・プランニング/モデルアップデートツール

Simcenter 3D FE Model Correlation 製品概要

Simcenter 3D FE Model Correlationは、2つの異なるシミュレーション(解析モデル間)の比較、シミュレーションとモード試験(解析モデル-実験データ)の定性的かつ定量的な比較を可能にするコリレーションツールです。
モデルの幾何学的な配置、2つの解析結果で得られたモードの組み合わせ、モード形状の並列表示、コリレーション指標の計算や表示を行うためのツールが用意され、さらに物理的な試験の準備をより完全にするためのプリテスト・プランニングツールも提供されています。また、Simcenter 3D StructuresやSimcenter 3D Engineering Desktopのアドオンとして組み込まれているため、Simcenter 3D環境のパワーと使いやすさを活用できます。

Simcenter 3D FE Model Correlation 導入・使用によるメリット

①比較する2つのモデル間の一致性を確認できる。
②モード試験の実施前にセンサ一・計測点や励振点の配置を最適化できる。
③エンジニアが解析で使用している使い慣れた環境でモデルコリレーションを実施できるため、トレーニングコストの節約と生産性の向上を実現できる。
④有限要素モデルの変更がコリレーションの計算に自動的に反映されるため、時間を節約できる。

Simcenter 3D FE Model Correlationでできること

Simcenter 3D FE Model Correlationでは、次の2つのタイプのコリレーションとプリテスト・プランニングを行うことができます。

実験データと解析モデルのコリレーション

モード試験で測定した試験データを基準値として、有限要素モデルによる解析結果と比較します。
コリレーションによって一致の度合いが高いことを確認できれば、その解析モデルは構造物の物理特性を正確に表現しているという高い信頼性を得ることができます。

解析モデル間のコリレーション

参考値あるいは基準値となる解析モデルと、作業モデルの2つの解析モデルを比較します。
各モデルは異なる解析プログラムから作成して比較したり、あるいは忠実度の異なるモデルを同じ解析プログラムから作成して比較したりすることもできます。

プリテスト・プランニング

有限要素モデルの固有値解析結果を利用して、モード試験時の最適なセンサ位置および加振器の位置を選定するのを助けます。

Simcenter 3D FE Model Updating 製品概要

Simcenter 3D FE Model Updatingは、有限要素解析の結果と実験計測での計測結果のコリレーション(Correlation)機能を拡張し、コリレーションする2つのモデルの内の一方のモデルをターゲットとして、最適化手法によりモデルのパラメータを変え、もう一方のモデルのモード形状や固有振動数などと一致させるようにモデルを更新するソフト
ウェアです。比較する2つの構造モデルのジオメトリ寸法や材料データをパラメータとして変更して、2つのモデル間の差異の原因を究明するツールとしても利用することができます。

Simcenter 3D FE Model Updating 導入・使用によるメリット

①有限要素モデルの精度と信頼性が向上する。
②有限要素モデルに加えられる変更は、自動的にコリレーションとモデル更新の計算に反映されるので時間を節約できる。
③モデル更新によって結果が自動的に有限要素モデルに反映されるため、手戻りを防ぐことができる。
④エンジニアが普段、解析で使用する使い慣れたSimcenter 3D 環境でモデル更新を行うことができるため、トレーニングコストを減らし、生産性を向上させることができる。

Simcenter 3D FE Model Updatingでできること

Simcenter 3D FE Model Updatingは、Simcenter 3Dに統合されたSimcenter 3D FE Model Correlationと共にSimcenter 3Dの有限要素ソルバー(Simcenter Nastran)を用いて、解析モデル作成や最適化解析などを行うほか、Simcenter 3D FE Model Correlationのコリレーション結果を評価し、最終的にモデル更新やコリレーションエラー(コリレーション誤差)の原因を究明することができます。

解析モデル作成
設計感度解析
最適化解析
モデル更新
モデル間の差異・誤差の原因究明

Simcenter 3D FE Model Correlation 製品詳細

固有値解析ソリューションの利用と結果の表示:

インポートした基準値となる解析結果およびSimcenter 3Dの作業モデルとして、Simcenter Nastran、Abaqus、ANSYSおよびMSC Nastranで作成された各モデルをサポートします。

UNVファイルおよびUFFファイルによるテストソリューションのインポート:

ジオメトリ、モード形状および周波数応答関数用の新旧のデータセット(UNVファイル、UFFファイル)をサポートします。インポート機能では、複数の全体座標系および局所座標系(デカルト(直交)、円筒、球)、単位系データセットがサポートされており、自動アクティブ・センサ検知、複素数から実数へのモード形状変換などの機能があります。

モード試験結果のレビュー:

モード試験で得られたモード形状の表示、計測モデルのジオメトリ形状とセンサ位置の解析モデルへのオーバーレイ表示などが可能です。

  • 有限要素モデル(左)と試験解析用モデル(右)の位置揃え

  • 位置揃えのプレビュー表示

プリテスト・プランニング

プリテスト・プランニング(プリテスト計画策定)は、動特性を評価する機械・構造物のモード試験を実施する前に、固有値解析や周波数応答解析などを行い、対象とする振動モードを励起できる点を調査して最適な計測点と励振点を求める手法です。
Simcenter 3D FE Model Correlationには、プリテスト・プランニング機能があり、有限要素モデルとその固有値解析結果を利用して、モード試験時のセンサ位置や加振器の位置と数を最適化することができます。

プリテスト・プランニング:選択されたセンサ(青矢印)と自己MAC表示

センサ位置および加振器位置候補となるノードグループ作成

最大スプレッドノードグループ

試験対象の機械・構造物にセンサを配置する際には、実務的な問題として、候補となる物理的な位置にセンサが配置可能でなければならないこと、そして候補となる物理的な位置がXYZ直交座標系に従ってセンサを配置しやすい位置でなければならないという問題があります。
Simcenter 3D FE Model Correlationには、空間的に分布した節点のグループを作成し、簡単にセンサの候補DOFを定義することができる、[最大スプレッドノードグループ]コマンドがあります。


最適なセンサ位置の探索

最小-MACアルゴリズム

Simcenter 3D FE Model Correlationに実装されている最小-MACアルゴリズムは、自己MAC(自己MACマトリックス)の非対角項を最小化することによって、センサを配置する最適な場所を自動的に探索します。

自己MACの確認

最小-MACアルゴリズムの実行後、自己MAC(解析-解析)を確認すると、全モードについて非対角項の値が小さい値となっていることが確認でき、最適なセンサ位置を探索できたことが分かります。

加振器の位置と数の最適化

ノーマルモードインジケータ関数(NMIF)アルゴリズム

Simcenter 3D FE Model Correlationに実装されているノーマルモードインジケータ関数(NMIF)アルゴリズムは、対象とするすべてのモードを適切に励振できる最適な加振器(励振器)の数、位置、方向を探索することができます。
なお、この手法は、インパクトハンマーによるハンマーロービング励振にも利用できます。

最適化された加振器構成の情報

試験解析用モデル(TAM:Test Analysis Model)

試験解析用モデル(TAM)生成

Simcenter 3D FE Model Correlationは、最適化された計測点と励振点の情報を基に、全ての計測点をつないだワイヤーフレームの試験解析用モデル(TAM)を生成することができます。

プリテスト・プランニングで得られた試験解析用モデル(TAM)(水色線)

ジオメトリ・マッピング

有限要素モデルには、通常、モード試験で測定されたポイントよりも多くのノードが含まれています。Simcenter 3D FE Model Correlationは、モード試験で測定された全体座標の近接性に基づいて、適切な有限要素モデルの節点を対応する測定点に割り当てる「節点マップ」を自動的に生成します。また、必要に応じて、モデルをインタラクティブに位置揃えすることもできます。

  • 節点マップ作成方法設定画面

  • 作成された節点マップ(ハイライト表示節点)

モード信頼性評価基準(MAC : Modal Assurance Criteria)

モード信頼性評価基準(MAC)は、参照データのモード形状と作業データのモード形状の間の一致性の度合いを示す評価基準です。可能性のあるすべての組み合わせのモード形状を定量的に比較します。MACが1に近い数値なら、評価対象のモードの確度は高いと判断します。


試験データと有限要素解析結果のMACマトリックス

座標モード信頼性評価基準(COMAC : Coordinate Modal Assurance Criteria)

座標モード信頼性評価基準(COMAC)は、MACを拡張した評価基準で、どの測定自由度が低いMAC値に影響を与えているかを識別します。比較する2つのモデルのモード形状を相関させ、モードペアで一致しない自由度(DOF)を求めます。

  • COMACマトリックス

  • COMAC結果(Xコンポーネント)

クロス(交差)直交性検査(X – Ortho : Cross – orthogonaliy)

クロス直交性検査手法は、計算が縮退した質量マトリックスによって重み付けされる点を除き、MACと同じです。この手法は、通常、実験モード形状や縮退した試験解析用モデル(TAM)の質量マトリックス、解析モード形状などに使用されます。縮退した質量マトリックスを用いた解析モデル間の比較(十分なTAM(Test Analysis Model;試験解析用モデル)精度の検証など)のために直交性の計算を使用することもでき、MACによる評価を補完します。

試験データと有限要素解析結果のMACマトリックス

周波数応答信頼性評価基準(FRAC:Frequency Response Assurance Criterion)

周波数応答信頼性評価基準は、同じ入出力関係を示している2つの周波数応答関数(FRF)を比較する手法です。周波数応答信頼性評価基準の値が1に近ければ、比較する参照モデルと作業モデルの周波数応答関数(FRF)の相関性が高いことを示します。

  • 周波数応答関数(FRF)形状のモデルコリレーション

  • FRACによる評価 (FRACカラーバーの表示)

静的形状のコリレーション

Simcenter 3D FE Model Correlationは、固有値解析結果で得られたモード特性を基準とした動特性に関するモデルコリレーションだけでなく、Simcenter Nastranをはじめとする汎用コードによる静的解析結果(変位形状)、または物理的試験による実機の変形形状の計測データに関する形状コリレーションを行うこともできます。

  • (a)参照モデル(ソリッド要素) (b)作業モデル(シェル要素)
    解析モデル間の静的形状モデルコリレーション

  • エラーマトリックスとエラー関数による静的形状の相関性評価

モード・ペアリング

様々なモードの組み合わせ手法(手動を含む)によって、モード数、周波数、パーセント差、MAC値を含む表を作成することができます。

  • モードペアリング制御編集

  • 相関関係詳細ビュー(モード・ペア表)

ビジュアル比較

モード・ペア表から、直接、形状を表示したり、横に並べて同期させたアニメーション表示をしたりすることができます。

モード・ペアと試験データ/解析結果の並列アニメーション表示

実験モード解析ソフトウェアMEscopeとの連携

Simcenter 3D FE Model Correlationは、機械振動の実験モード解析に定評があり、日本国内のメーカーで広く使用されている実験モード解析ソフトウェアMEscopeと連携させることで、実機による実験モード解析から有限要素解析、モデルコリレーションまでの一連の解析作業をシームレスに行うことができ、正確な解析モデルの実現を効率的に行うことができます。


MEscopeとSimcenter 3D FE Model Correlationによるモデルコリレーション

注意:
MEscopeは、Vibrant Technology, Inc.またはその直接的・間接的な完全所有子会社の登録商標、未登録商標、またはサービスマークです。

Simcenter 3D FE Model Updating 製品詳細

インタラクティブな設計変数の定義

・モデル更新に使用する設計変数は、系の質量に影響を与える材料特性(等方性、直交異方性、異方性)および要素特性を含む、異なる種類の多数の設計変数から選択できます。
・積層プライの厚さおよび角度を設計変数として使用することができ、Simcenter Laminate Compositeモジュールのプライ定義から定義できます。

専用DESOPT 200 モデルアップデート(更新)ソリューション:

・縮退モデルのマトリックスおよび感度を含むOP2ファイルを生成するために、静縮退 (グヤンの静縮約)、動縮退、設計変数およびA-SetまたはU-Set自由度をサポートしています。
・モデル更新専用のソリューションを使用しているため、Nastran入力カードの手動編集が不要です。
・Simcenter 3D FE Model Updatingとは別にSimcenter NastranのDMAPやSOL200ライセンスを購入する必要はないため、導入コストを抑えることができます。

設計感度解析:

すべての設計変数および目的関数に関する感度マトリックスを計算し、表示することができます。

設計変数のフィルタリング:

ユーザー定義クライテリアや自動クライテリアに基づくフィルタリング機能を用い、最適化プロセスの間、多数の設計変数を効率的に管理できます。

モード形状アニメーションの並列表示

固有振動数およびモード形状ターゲット:

あらゆる重み付けの組み合わせを用いて、最適化する目的関数内に含めたい固有振動数およびモード形状を選ぶことができます(MACやクロス直交性に基づくモード形状コリレーションもサポート)。

埋め込み固有値ソルバ:

・有限要素モデル全体に対して固有値解析を再計算する必要はほとんどなく、代わりに、感度のピースワイズリニア更新による、より大きな(非線形)設計変数の更新を可能にする新しい固有値解析ソリューションに従い、反復ごとに感度計算を実行します。
・このアプローチにより、僅かな反復だけで精度の高い更新結果を得ることができます。

設計変数リストとリスト表示された設計変数の最適化

複数の最適化アルゴリズム:

最小二乗法、最急降下法、遺伝的アルゴリズムなどの複数の最適化アルゴリズムを選択できます。

FEMファイル変更への対応:

・ベースとなるFEMファイル(ジオメトリ、メッシュ、マテリアル、プロパティ)に加えたあらゆる変更を扱うことができます。
・再計算の後、Simcenterは自動的に空間的なコリレーション(ノードマッチング)を再実行しますが、全体の更新の設定・構成は保持されるので、すぐに更新プロセスを継続できます。

FEMファイルとSIMファイルの更新機能:

・設計変数モデリングオブジェクトおよび有限要素モデルの両方を更新できます。
・FEMファイルの更新後、SIMファイルに含まれるすべての他のソリューション(構造静的ソリューション、動的解析ソリューション)は、直ちに更新されたパラメータを使用して解析できる状態になります。

Simcenter 3D FE Model Correlationのすべての機能を活用できる機能:

・インポートした試験データ、ジオメトリマッピング、センサおよび自由度セットを活用できます。
・Simcenter 3D FE Model Correlationのコリレーションプロセスと同様に、MACやCOMACなどの相関性指標およびモード形状アニメーションの並列表示機能を利用できます。

モデル更新前後の2つの解析モデルの並列表示とモデル更新後のMACの表示

Simcenter 3D FE Model Correlation / Updating 動作環境

OS Microsoft Windows 10, 11 (64bit) / Windows Server 2012以降
CPU Intel x86互換64bit CPU (Intel 64, AMD 64)
メモリ 8GB以上 ※推奨 RAM:32GB以上
ハードディスク 30GB以上の空き容量(インストール用)
グラフィックス ワークステーション向けOpenGL対応のグラフィックス製品
※推奨:NVIDIA RTX, Tシリーズ, AMD Radeon Proシリーズ

※Mac OS Xはサポートされていません。
※Linuxはソルバおよびプログラムの実行に対してのみサポートされています。
※詳細はお問い合わせください。

Simcenter 3D FE Model Correlation / Updating 製品構成

Simcenter 3D FE Model Correlationは、CAE統合環境 Simcenter 3D StructuresまたはSimcenter 3D Engineering Desktopのアドオンとして使用します。
ご利用に際してはSimcenter 3D Structures、またはSimcenter 3D Engineering Desktop + Simcenter Nastran Basicのいずれかの基本モジュールが必要となります。

Simcenter 3D FE Model Updatingは、CAE統合環境 Simcenter 3D StructuresまたはSimcenter 3D Engineering Desktopのアドオンとして使用する、Simcenter 3D FE Model Correlationのオプションになります。
ご利用に際してはSimcenter 3D Structures、またはSimcenter 3D Engineering Desktop + Simcenter Nastran Basicのいずれかの基本モジュールに加えてSimcenter 3D FE Model Correlationが必要となります。

標準パッケージ

製品
(ダウンロード)
・ソフトウェア
・オンラインドキュメント
(新機能、ユーザーガイド、テクニカルリファレンス、チュートリアルなど)
・チュートリアルのサンプルデータ

保守サービス

◇バージョンアップ
保守契約期間内にリリースされる新バージョンをお届けいたします。

◇技術サポート
メール/FAXによるSimcenter 3D FE Model Correlation / UpdatingのQ&Aを行っております。(原則として電話によるサポートは行っておりません。)
Simcenter 3D FE Model Correlation / Updatingに関する操作方法などについてご質問に回答いたします。
保守契約期間中は、回数制限はありません。

※以下に関するご質問、ご依頼は標準サポートの対象外となります。ご了承ください。
・モデル作成の代行に該当する質問
・受託解析に該当する質問


クラウドサービス(XaaSサブスクリプション契約のみ)

・SiemensのクラウドサービスXcelerator Shareの利用
・500GB+5GB×ライセンス数 のクラウドストレージ
  例)10ライセンス 500GB+5GB×10=550GB

XaaSサブスクリプション
※クリックするとXaaSサブスクリプション紹介ページへ

お客様のお問い合わせをお待ちしております