ボイスコイルモータ(VCM)の電磁力解析
F-MAG
事例概要
ボイスコイルモータ(VCM)は磁気ヘッドを直進運動させる一種のリニアモータ(アクチュエータ)で、スピーカの原理を応用したものです。
永久磁石の磁界中でコイルに電流を流すと、フレミングの左手の法則により、コイルに磁界と垂直な方向に力が発生しますので、電気エネルギーから直進運動をつくることができます。コイルに電流を流すためにリード線が必要で可動距離は限られますが、可動部分がコイルだけなので、高速な移動と正確な位置決めができ、その応用範囲は広がっています。
本事例では、右図のような平面型ボイスコイルモータ(VCM)に交流電流を印加した時に、コイルに働く電磁力が時間とともにどのように変化するのかF?MAGで解析しました。 今回のモデルは、横長方向から見て磁界分布が左右対称となるため、片方を省略し、二分の一モデルとして解析しました。

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形状および磁界分布の対称性を利用し、上図のような二分の一モデルで解析しました。
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コイルには上図のような交流電流を印加しました。
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ヨークは、上図のような非線形磁化特性をもつ磁性体としました。
解析結果
通電後0.006秒後の解析結果は右図のようになりました。
見やすくするために、コイルは非表示としています。 磁束密度の単位は[T](テスラ)です。 赤色部分で多くの磁束が通っていることを表しています。

同様に、通電後0.016秒後の解析結果は下図のようになりました。コイル電流の方向が逆になりましたので、コイル周りの磁束の方向が変化しています。<=”” p=””>

磁界中のコイルに電流が流れるとコイルにはローレンツ力が働きますが、今回は電流の時間的な変化とともに、下図のようになりました。
今回、ローレンツ力は断面の左右方向(横方向)に生じています。
